美容師の未来を守るために

”個人ではできないこと。それが組合の役割です。”

 

お客様に安心安全な美容施術を提供し、美容文化の発展と衛生的なくらしの提供に貢献している美容室。

日本全国どこでも、お客様が安心して利用できるお気に入りの美容室があると思います。

そんな身近な職業である美容師は、医師や教師といった職業と同じ国家資格を得ています。

美容師として働くためには、「美容師法」に基づき、厚生労働省が定めた専門学校で、規定の単位を取得して国家試験に合格する必要があります。

また、美容所も法令に基づき、保健所の検査に合格し、従業員である美容師を登録しなければ営業することは出来ません。

美容師は複数のお客様に対し、ハサミや薬剤、加熱器具などを使用するため、専門の技術や衛生知識がなければ危険を伴いますので、「美容師法」によって厳しく規制されているのです。

 

しかし、現在政府が進める規制改革の流れの中で、他業種からの参入や大手チェーン店の圧力などにより、美容師法の規制緩和が検討されています。

想像してみて下さい。美容師法の規制が緩んでいき、美容師資格がなくても、保健所に登録した美容室でなくても美容業務ができるようになったとしたら、どんな未来が待っているでしょうか。

専門学校で正しい知識や技術を習得しなくても、資格試験に合格しなくても、美容師として働けるようになれば、美容行為を仕事にする人が急増し、過度な競争が起きるでしょう。

衛生設備が整わない場所での施術が増え、衛生や消毒といった、美容師の基本を軽んじた営業者が出てくるでしょう。

世界的にも高い水準の日本の美容技術は低下し、施術不良のトラブルが頻発して、損害を受けたお客様との訴訟が社会問題となるかもしれません。

施術料金に価格破壊が起き、地域で愛される小さな美容室は淘汰されるかもしれません。

 

お客様が安心して美容室をご利用頂くために、また美容師が安定した経営をしていくためにも、美容師免許は本当に大事なものです。美容師はこの業権を守るために規制緩和には常に注視し、いざという時にはしっかりと反対意見を届けなければなりません。

では、誰がその役割を担うのでしょうか?

 

ここで、美容組合の成立ちについて簡単に説明します。

60年ほど前、美容師の営業や生活が苦しい状況を改善するために、各県で美容師組織が立ち上がりました。そして、全国組織として活動を開始し、議員立法で「生衛法」の制定を勝ち取り、美容組合など生衛業界の組合が定められました。この組合は、美容業の健全な発展と消費者の安全・安心を守ることを目的とした、全国唯一の業界団体です。

 

 

美容組合は、加入者への各種サービスや経営の支援を行うだけでなく、唯一組合にしかできない役割があります。

それは、国や行政に美容師の声をしっかり届けることです。

これは、全国組織である美容組合だからこそできる重要な役割です。

 

最大の目的は「美容師法」を守ること。

 

美容業界の未来を守るためには、組合の組織力が必要です。

美容業界の振興とお客様の安心・安全を守るために、美容組合が活動していることを、知っていただきたいと思います。

 

美容師の皆さん、実は組合は皆さんに関係しています。

 

現在、組合は高齢化などにより、加入者数が減少し、組織の弱体化が懸念されています。

美容室オーナーの皆さん、組合に加入して、未来の美容業界のために力を貸してください。

美容師法のもとで安心して美容業に従事できる環境を一緒に守りましょう。

 

少しでも興味を持っていただいた美容室オーナーの皆さん、組合事務局までお問い合わせください。